あくむのはなし

 

 

 

 

 

 

女の人が容易く愚弄される悪夢を見たよ。

簡単に愚弄され、歯向かうことは出来なかった。拳を握りしめ、耐えるだけだった。その時間が過ぎるのを待つだけだった。でもそれは夢じゃなくて現実で、女は下に見られ、どんなに酷い扱いをしてもそれが世界だ、それが現実だ。日常だ。
女ではなく、それはわたしだ。
わたしは酷い扱いを受ける。それは受けて当たり前の世界だから。それだけの存在だからだ。それが割り当てられた役だからだ。

 

それを利用して楽をすることもある。だからといってわたしは他者に軽んじられ、踏みにじらていいわけではない。

わたしはわたしを大事にしなくてはならない。

 

だれもわたしを大事にしないからだ。わたしを大事に、心底大事に出来るのはわたしただ一人だけだからだ。

 

 

孤独だけれどそれが人生だと社会だと知っている。そうでなければ生きてはいられない。

鈍感に鈍感に生きなければ生きてはいられない。

 

感覚の線があるならブチ抜きたい。

テレビの線みたいに。

わたしをロボットやアンドロイドみたいだと言うなら、だったら感覚の線をブチ抜いてくれよ。ああ無責任な。無責任な言葉を吐く生き物だな。