泣くな泣くな泣くな
世界は美しい物で溢れている。見つけることをやめなければ、美しいものは限りなく人生に舞い降りる。
どうにもならないドス黒い汚いものが喉元までせりあがっても、吐き出さない限りそれは世界に生まれないから、埋めるんだ、体内に。
雑音を掻き分けて、木の葉の風に吹かれる音を聞け。
透き通る日差しまで目を開いて見つめろ。
木漏れ日を見て、水の中を思い出せ。
水の中から見たゆらゆらゆれる光を。
いつかわたしが機能しなくなるその日まで、美しいものを見つけて、たしかにそこにあると存在を貼りつけて、それを繰り返す。
涙で歪んだ瞳では、多くを見つめられなくなるから、泣くな泣くな泣くな。
泣くことで見つけられる世界を見つけても、先にはまだ美しいものがあるから。
そうやって虹を作らなくてはならない。
人生は、美しいものは、世界は、